2018年02月06日

米国主導の株価急落に対する当社見解

米国主導の株価急落に対する当社見解

 

●ファンダメンタルズ面で株価下落の要因は見当たらない。

 

①世界同時好況、②世界的好業績、③背景にある新産業革命とイノベーション、④適切な経済政策、⑤抑制されたインフレなど。近い将来リセッションに陥るとの見方はほとんど見当たらない。リセッションにならずして株式市場がベアマーケットに転換したためしはない。

 

●株式がバブルとの見解、も支持する人は少数。

 

①PERは過去平均15倍、1月末23倍(益回り4.3%)と高いが、長期金利の低さを考えれば、むしろ株の方が割安(イールドスプレッドは依然大きい)、(シラー教授のCAPEがITバブル時以降最高の30倍という議論も低金利水準を全く考慮に入れてない点で、実用的ではない)

②長期金利上昇は限定的かつ企業利益の見通しは良好(税制改革の効果も寄与)

③経済的厚生を示すミゼリーインデックス(失業率+インフレ率)が過去最低水準ということは高PERを正当化する、などが指摘できる。➡株価水準は全く問題ではない。

 

●何故株は急落したか、理由はもっぱら需給要因。

 

①プログラムトレーディングの引き金による悪連鎖

②スピード違反の修正、が考えられる。問題はスピード。  

スピード違反とは➡株価(NYダウ)はトランプ当選以降1年余りで42%と著しく上昇。これはスピード違反、その調整が起きている。株価水準はバブルではない。しかし急上昇はちょっと行き過ぎ、NYダウは120年間、年率6%弱、過去40年間で26倍、年率9%、と比較しいかにも速い。株式投資家に異常に大きな超過リターンがもたらされたということ、これは健全ではなく金融市場にゆがみをもたらす原因になる。この株式投資家が享受した異常な高リターンの修正、という合理性がある。

 

●日本株式は水準、スピードともに米国より大きく割安。

 

日経平均は昭和の後半1950年のボトム(1950.1.31の92.6円)から1989年のピーク(1989年12月末38916円)までの40年間、約400倍、平成に入り30年間で株価は下落(平成初月1989年1月末31581円、現在平成30年、23000円として)。米国のようなスピードの調整の必要性は小さい。国債利回り・預金とのリターン比較において米国よりさらに、絶対的に割安。

 

●日本企業がnumber one strategy で敗退し、Only one strategyに転換して収益力を著しく高めていることは、ブレティン192号投資ストラテジーの焦点303号をご覧ください。

 

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